死亡事故の場合の逸失利益の正しい計算方法

交通事故が死亡事故の場合、遺族から加害者に対して逸失利益を損害賠償請求できます。

ここでの逸失利益とは、死亡していなければ得られたはずの利益のことです。

当然、死んでしまえば収入を得ることができなくなります。

しかし、もし死亡していなければ収入を得られていたはずです。死亡事故の場合、この得られていたはずの利益を逸失利益として請求することができます。

今回は、逸失利益を請求する際に行う、計算方法について見ていきましょう。

死亡事故の逸失利益を求める計算

死亡事故の逸失利益を求めようにも、どれだけ収入を得ていたかなど誰にもわかりません。

そこで、死亡事故の逸失利益を求める際は、「1年あたりの基礎収入×(1-生活費控除率)×稼働可能期間に対応するライプニッツ係数(またはホフマン係数)」という計算式が用いられます。

それでは以下にて、計算式に登場する難しい言葉の解説もしていきます。

1年あたりの基礎収入

1年あたりの基礎収入は、逸失利益を算出する上で必ず数値化しなければなりません。

サラリーマンや公務員であれば、給与にそれほど波があるわけではありませんし、それほど数値化に苦労することはないのですが、個人事業主となると簡単にはいきません。

1年あたりの基礎収入をどのように算出するかという問題からスタートしなければならないのです。

なお、学生や専業主婦のようにそもそも収入がなかったからといって逸失利益が認められないことはありません。

収入がなかった方の場合は、賃金センサスの平均賃金を基準にすることで1年あたりの基礎収入を算出するのが一般的となっています。

生活費控除率

人が死亡したということは、生活するために費用がかからなくなったということ。

よって、死亡事故の場合は、将来生活するためにかかった費用を控除しなければなりません。

どれだけ費用がかかるかについては、赤い本の基準を用いるのが一般的です。

稼働可能期間

稼働可能期間とは、収入を得るために稼働できたであろう期間のことです。

ここでは始期と終期が重要になります。始期は当然、死亡して亡くなった年齢です。

しかし、終期について亡くなった方が何歳まで稼働できたかを求めることなどできません。

そこで、厚生労働省が作成する生命表を基準とし、原則的には67歳を終期とするのが一般的です。

つまり、35歳で死亡したのであれば、32年が稼働可能期間となります。

ただし、亡くなった方が67歳に近い高齢の方だった場合、平均余命の2分の1か、67歳までの年数のいずれか長い方が終期として利用することで調整を計っています。

ライプニッツ係数(ホフマン係数)

逸失利益を求める際は、中間利息を控除しなければなりません。
ライプニッツ係数(ホフマン係数)というのは、この中間利息を控除するために用いられます。

上記の説明からもわかるように、逸失利益は死亡時から将来(原則67歳でしたね)に渡っての損害として支払われるものです。

しかし、これを一括で支払ったとなれば、受け取り手はその将来が来るまでの期間に運用することでお金を増やすことも可能となります。

となれば、本来よりも多い金額が手元に残ることになり、支払い側が不利になってしまいます。

こういった不公平さを調整するのが、中間利息控除というわけです。

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