交通事故被害で労災保険を利用するときの注意点

代表弁護士 津田 岳宏 (つだ たかひろ)

交通事故に遭ってしまったタイミングが通勤途中だった場合、労災保険の利用ができるケースもあります。

労災保険とは、正式には「労働者災害補償保険」といって、働いている方が仕事中、通勤中などに事故に遭ってしまった際、金銭の給付によって補償をする保険制度の1つです。

たとえば、会社に向かう途中に交通事故に遭ったとなれば通勤中の事故となり、労災保険を利用することで補償金を請求することができるのです。

今回は、この労災保険の利用に関して詳しくご説明していきます。

交通事故による労災保険の利用

冒頭のような例で交通事故にあってしまった場合、具体的にどのような手続きをするのでしょう?

労災保険を利用するには、労働基準監督署に「第三者行為災害届」を提出しなければなりません。

この書面の提出後、労働基準監督署に労災保険の対象となる交通事故と判断されれば、保険金が給付されるという仕組みです。手続きとしてはこれだけで問題ありません。

労災保険の利用は、難しい手続きは必要ないため、利用できるのであれば利用するに越したことはありません。

手続き上重要なのは、通勤中や勤務中の事故だったという事実関係です。

どのような名目で保険金が出るのか?

では、具体的にどのような名目で保険金が給付されることになるのでしょうか?

以下にて簡単にまとめてみました。

  • 負傷の治療費→労災指定医師による診察であれば無料
  • 休業補償→仕事の休業により不足した収入の補償
  • 障害補償→交通事故によって後遺障害が残った場合の補償
  • 傷病補償年金→治療が長引いてしまった場合の補償
  • 遺族補償年金→当事者が死亡してしまった場合に遺族に支払われる補償

なお、保険金の計算の際に用いられるのは、対象の労働者が負傷前(死亡前)の賃金を基準に算定されます。

たとえば、勤務中の交通事故によって1ヶ月入院することになった場合、対象の労働者の1ヶ月分の平均賃金相当額から約8割が支払われるというわけです。

保険金は二重で受け取れない点に注意

交通事故による保険金の補償は、労災保険だけではなく自賠責保険もあります。

この2つの保険は、支給名目で重なっている部分もあるのですが、二重で受け取ることはできません。労災保険にて受け取るか、それとも自賠責保険にて受け取るか、よく検討しなければならないのです。

なお、どちらの保険を利用して受け取っても、加害者側の負担が軽減されることはありません。

しかし、どちらの保険を利用すべきかはケースバイケースとなっているため、少しでも迷いがある方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

代表弁護士 津田岳宏(つだたかひろ)/昭和54年生/京都女子大学付属小学校卒業/東大寺学園中・高等学校卒業/京都大学経済学部卒業/平成19年9月弁護士登録/平成26年6月京都グリーン法律事務所を設立

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